人生オワ太郎のいろいろある部屋

人生が終わってない高校生のブログです。ハーメルンや小説家になろうで(クソみたいな)小説書いてますのでそちらもよろしくなのです。

第25話

軍参謀委員会のメンバーはまさに、憂鬱な気分に襲われていた。
セルニカス諸島の陥落。
一連の事態を受けた 軍参謀委員会が、つい先ほど出した結論だった。
ことの発端は数時間前、何者かに攻撃を受けているとの一報が入ったことだった。
あの島は前線の位置から遠く離れた絶海の孤島であり、距離の関係上ここが襲撃されるとは考えられていなかった。
襲撃を受けたという第一報が入ったとき、上層部は誤報か何かだと思っていたら。
しかし、直後から通信が全くつながらなくなり、ホワイトノイズしか聞こえなくなってしまったのだ。こちらからの呼びかけにも全く応じなかったものの、そこから7時間後に復旧した。
委員会のメンバーは始め、大きく喜んだ。すでに強襲を受けたものと結論付け、大統領へ報告をあげる直前だったのだ。
もし、あの島が陥落したということが報告していたら。
軍事方面はほとんど素人なものの、あそこの重要性は如何に感情によって動く国家最高意思決定者といえども理解していた。陥落したということを報告すればそれを許した軍関係者は粛清されていただろうし、またそれが嘘だということを知ればそれを伝令したものもまた同じ道をたどるだろう。
しかし、その喜びは次の言葉で消し飛ぶこととなった。

「通信に出たのは・・・ニホン人とのことです」

通信に応じたのはニホン人だった。これが意味することは一つ。
セルニカス諸島が陥落したのだ。
彼らによると、この島にいるものは死んだか、降伏したかのどちらかしか残っていない。お前らも首を洗って待っていろ、と。
これを聞いたとき、通信士は青ざめ、司令官は卒倒したという。

「自分たちが思っていたよりも、遙かにまずい状況だ・・・」

敵には余裕で勝てると信じていた。だが現実はどうだろうか。初期こそ圧倒できたものの、日本国の介入により戦局は悪化し始めた。それは今回の攻撃で明白なものとなった。
この攻撃によって陥落したセルニカス諸島。この位置からならばここ、首都リビアナを攻撃されることも想定される。

「上層部への報告は・・・ほとんど手を加えられずに上がるよな・・・」

いままではどのような凶報でも上へ報告されるごとにソフトな言い回しになっていたものの、
今回ばかりはそうもいかないだろう。
この国が危機に直面していることを、彼らはようやく理解し始めたのだった。

 

 

この基地にもだいぶ日本人が多くなっている。基地内を歩んでいるメイドリフ大尉は
そう実感していた。
日本の参戦以来、戦況は様変わりした。
圧倒的な能力を誇る戦車、機動力を生かした戦術、練度の違い・・・
この戦争は、日本の参戦によって勝利を得えられると誰もが確信していた。
だがそれと同時に、あることが起きた。
サーバ連合各国の軍隊の出番が減っていったのだ。日本が前面に出ると、連合は後方支援に従事するようになっていった。
平たくいえば、日本にとって彼らは足手まといなのだ。もはやそれは変えられない事実だろう。
装備や戦闘ドクトリンなど、あらゆるものが違いすぎた。自分らは時代遅れということだ。最近、日本の技術や技量を吸収する動きもあるものの、同水準になるには数年、数十年の歳月がかかるといわれている。
どうあがいても今回の事態には間に合わない。
連合各国が敗退を続ける今、日本頼みの状態に陥るしかなかった。
何とも言い難い状況だった。自分らを自分で守れなかったのは屈辱だが、そうしなければ連合各国は滅んでただろうし、過密的だった仕事が減ったことに喜ぶものも少なくない。
自分だって家族と過ごす時間を作ることができた。生を実感することができた。
少なくとも日本の恩恵を受けているのは事実だ。
装甲考えているうちに、基地入り口の守衛所まで到着した。
数枚の書類を守衛に渡す。もうここに用はない。彼は自分の持ち場である事務室へと歩みを始めた。
少し遠回りでもするか。そう思ったメイドリフは日本軍が使用している兵舎や格納庫といったものを間近で見れるルートを進んでいった。
基地は日本の陸空軍が使用しているエリアが存在していた。日本軍と他国の軍隊との交流は活発で、最近は特にヘリコプターの行き来が多い。
近いうちに首都を攻撃するだとささやかれていた。
日本の力を見た今では、あらかた嘘ではないだろう。そう感じざるを得なかった。
ふと、横に視線を移すと、彼が憧れすらしていた1つの機械の塊が事を構えていた。間違いない、ヘリコプターだ。5、60メートルは離れているが、AH-1サムライという機体の機種までわかる。
十数メートルの距離まで近づいた。
今まで本や上空を飛ぶものを見たことはあったものの、間近で見るのは初めてだ。
機体の下部にはガトリングが装備され、左右にはロケットと、ミサイルと呼ばれるハイテク兵器が備えられている。そしてテールローター
プロペラは上部を向いている。これこそ、普通の航空機との決定的な違いだ。
机上の空論でしかなかった兵器がそこにはあった。

「改めてみるとすごいな・・・これはなんて奴だったかな」

彼は過去に見た書物の中からどのような機体だったかを思い出そうとした。
そう、これはたしか・・・

「AH-1サムライ、2023年に正式採用、老朽化し始めたコブラの代行としてOH-1を元に開発、ニンジャ譲りの機動とアパッチにも負けない武装と火器管制能力を持つ・・・」

そう、まさにそれだ。メイドリフは自分が求めていた答えが出たことに満足した。
だがその直後、新たな疑問がわいた。これを言ったのは誰だ?

「突然すいません。自分の愛機に興味を持っていたようなので」

後ろを振り向くと、30代前半ごろの女性が立っていた。
日本が使っている迷彩服を身にまとい、
ヘリの乗組員なのか、右手にはフライトヘルメットを抱えている。

「あ・・・これは失礼しました、お邪魔してしまいましたか」
「いえいえとんでもありませんよ。自分も初めて見た時にはそんな感じでしたよ」

よく見ると、迷彩服は一般の隊員が来ているものではなく、ヘリパイロット用の迷彩服を着ていた。さっきも自分の愛機と言っていたし、あのヘリコプターのパイロットなのだろう。

「あ・・・見た感じわかると思うんですけど、あのヘリコプターの操縦士をしています」

まじまじと見つめる視線に気づいたからか、彼女は彼の問いの答えを出した。
やはり予想通りだったか。メイドリフは自分の予測が当たったことに満足した一方で、操縦士が女だったことに若干ながら驚いていた。

「なるほど、しかし女性のパイロットですか・・・わが国では社会進出があまり進んでませんから。。。」
「女兵士は珍しいですか?」

珍しくない、と否定するつもりは彼にはなかった。
彼の国でも女性の社会進出に向けての動きはあるものの、軍人となると、精々後方勤続の軍医だとか、その程度だ。

「まあ、パイロットに限らず軍隊なんて男社会ですよ、少なくとも我が国に女性パイロットは居なかったと思います」
「そうですか・・・まあ、日本も昔はそうでしたよ、時代はいろいろと変えてしまいますからねぇ」

そうはいっても女性の戦闘ヘリパイロットはまだ歴史が浅いですけどね、そう言いながらも彼女の目線はヘリコプターを見つめたままだった。よほど乗り物への思い入れが強いのだろうか。

「子供の頃に自衛隊・・・当時はまだ軍じゃなかったんですけど、その時に駐屯地を見る機会があって、その時にヘリの編隊飛行を見たんです」

ヘリコプターの編隊を見たことはメイドリフもあった。
たしかにいいものだ、と彼は感じていた。当然ながら、レシプロ機ではホバリングを行うことはできないため、ヘリコプターを見たこと無い彼らにとっては斬新な光景だったのだ。

「その時にヘリコプターに一目ぼれしてしまいまして、当時はまだ8歳ぐらいでしたけど、その時から航空関係の職業に就くと決めていたんです」

懐かしさに浸る彼女は、若干ながら幸せそうな顔をしていた。

「・・・っと、もうすぐ集合の時間だ」

そろそろこの辺で、と言い残した彼女は、日本が所有する兵舎へと戻っていった。
自分もそろそろ戻ったほうがいいかな。
メイドリフは彼女の名前を聞くのを忘れたのを僅かに悔やみながらも歩みを始めた。

 

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更新が遅くて申し訳ありません。
実をいうと、この作品はただの思い付きから始まったもので、ろくにプロットも仕上げないまま投稿した上にその後もあんまりいいネタが思いつかない状態で今日まで至っております。
もしかすると更新停止、失踪する可能性があります。本当に申し訳ございません。
最低でも2帝国が崩壊させるところまでは書きます。

故人情報が保護されない日本

座間市で9人の遺体が発見された事件、ネットや新聞、テレビでも大々的に報道されました。

白石容疑者はTwitter「自殺したい」などと書き込んだアカウントへメッセージを送り、巧みに誘い出して殺すといった手口を行いました。

犯行手口にSNSが利用されたこともあってか、政府がTwitter規制も検討するといったほどです。一方で、被害者の兄がSNSを最大限活用したことによってこの事件が発覚したというのもまた事実です。

しかし、今回扱うのはSNSの問題でも容疑者の事でも自殺問題でもありません。犠牲になった9人の情報についてです。

前々から言われていることではありますが、殺人や自殺で亡くなった人の情報がテレビや新聞で取り上げられるとき、何十代の男だとか、十何歳の少年だとかそういうはぐらかした言い方ではなく、ご丁寧に顔写真まで付けての実名報道がされています。勿論、今回も例外ではありません。

実はこの時、遺族の方々は実名での報道をしないでほしいと各社マスコミに伝えていました。にもかかわらず、ほとんどのマスコミは実名での報道を行っています。

実名で報道することが違法なわけではありません。日本では個人の情報は保護されても故人の情報は保護されません。(海外も例外ではありませんが)

なくなってしまった方のプライバシーの権利は現行の法律上ではないとされています。ですので、死んだ人の情報は老人だろうが未成年だろうが関係なく報道されてしまいます。今回も氏名や顔写真だけでなく、どのような人物だったのかといったものまで報道されています。

これらの情報が報道される理由は、被害者の背景を写すことによって社会を動かす力になる、などといった理由が挙げられています。(あと視聴率も)

しかし、犠牲者を、遺族をないがしろにしてまでやるべきことなのでしょうか。そうしてまでの効果があるとは私は思いません。

報道の自由ガー、知る権利ガー、などと言ってる人もいますが、完全に権利の範囲外でしょう。そもそもその人たちの情報を知る必要性がどこにあるのでしょうか?遺族の方が公開してほしいと言っているならば別ですが、そうでないなら報道する必要性はないはずです。

故人の情報がないがしろにされ、遺族に大きな傷を残していることは広く周知されるべきだと思います。

今のところ遺族の方が各メディアに弁護士を通じて抗議をしているようですが、ほとんど泣き寝入り状態だそうです。TwitterといったSNSの規制よりも、故人情報の保護に関する法律の制定を急いだ方がいいと思います。

他人と自分

仕事を終え、スマホを見ながら帰る。
自分の1日のプロセスは、いつもこれで終わる。
空気音とともに車両のドアが開いた。
俺は大宮駅駅舎から埼京線快速の車内へ移動した。車内は閑散としている。
この時刻であればしょうがない。帰宅ラッシュなどとっくに終わっている。
俺はイヤホンをつけ、スマホの画面を見つめていた。
車内の席に腰掛けると、プレイリストからお気に入りの音楽をかける。
よく考えると、いつもこれを聞いていた。
かけられたのを確認すると、ホーム画面へ戻った。
数個あるアプリ欄の中から、お気に入りのSNSアプリの1つを開いた。最も、開発者側はSNSではないと言っているらしいが・・・
読み込みが終わると、多くの投稿が表示された。

『今めっちゃどうでもいいこと思いついたんだけど今のゲームと昔の・・・』
『福岡、めっちゃ雪降ってる』
『本日から3日間限定でランチを頼んだ方にアイスクリームを無料で・・・』

フィード上に多くの情報が流れていく。
ありふれた情報、ありふれた投稿、ありふれた人々の投稿だった。
だが、自分もその一つだ。

『今日も上司が怒っていた。』
『明日も会社、これで10連続、マジきつい』

自分の投稿に他者の反応はほとんどなかった。当然といえば当然だ。
この国ではサービス残業、過重労働は珍しくない。SNSでもその情報が大量に流れ、それ故に誰もが聞き流していた。
当たり前ではない、だが当たり前な情報を発信してもさほど注目されない。
それでも投稿を辞める気はなかった。たまに来る反応のためか、
自己顕示欲のせいなのかはわからない。
不意に、一つの投稿に目が留まった。
数多くのコメントとお気に入りがされていた投稿だった。

『これどう考えてもネギだろ』

その言葉とともに1枚の写真が載っていた。
テニスかバトミントンかのラケットの写真だが、網の部分は映っておらず、下部の持ち手の部分しか映っていない。配色とデザインのせいか、確かにネギにしか見えない。
少しだけ、笑みがこぼれた。
くだらないこと、でもそこに面白さを感じる。
これがSNSをしている理由の一つなのかもしれない。そう感じていた。

 

 

まもなく戸田公園戸田公園、とアナウンスがながれた。
自分の住む町だ。
駅内部に根城を構えるコンビニに寄り、おにぎりとサンドウィッチ、それとサイダーを購入した。明日の朝食だ。
購入を終えると、駅構内から公道のほうへと移動する。
改札を出て5分、平凡な住宅街を歩き、平凡な自分が住んでいる平凡なアパートに着いた。
アパートの2階、そこが自分の根城だった。
鍵を開け、誰もいない室内に入った。
時計の針は、すでに日が変わっていることを表していた。
何かをする気にはなれない。また明日も仕事がある、すぐにでも寝なければならない。
俺は別途へ飛び込んだ。スーツを脱いだだけで、あとはほとんど何もしていない。
2LDKの部屋には、必要最低限のものしか置かれていない。
生きるため。本当にそれだけのための部屋だ。
就職して3年。
あの時は、まだアニメやドラマを多く見ていたし、ゲームもコンシューマー機でプレイしていた。
今はもう見ていない。見る時間も、気力もない。ゲームも通勤中の十数分程度だ。
なぜここまでつまらない人生を送っているのか。それは労働のせいだ。
なぜ労働をするのか。それは生きるためだ。なら、自分が生きているのはなぜだ?
親が育てててくれたから、社会の一員だから、生物の本能だから。
自分には、どれも正しいとは思えなかった。
生きているから生きる、ただそれだけ。ほかには何もない。
明日も残業、明後日も休みの返上が決定した。まさに仕事のための人生だ。
それなのにそれに疑問も持たず、まさに機械的に労働をしていた。
―――もう考えるのはよそう。
俺は何かに吸い込まれるかのように、多大な眠気が襲った。
今日も明日も、何も変わらない。それでも明日こそは・・・
少しずつ、視界が薄れてきた。

 

 

「さっきやっとけって言ったよなぁ!」

怒鳴り声が部屋中に響く。声の大きさは鉄道の騒音にも負けないぐらいだ。
おこることは部長のお得意芸だ。むしろそれしか取り柄がないだろう。
誰もが気まずそうな顔をしている。されど、助け舟は出てこなかった。
理由は単純、自分に飛び火するのが怖いから。
部長がよく怒るという周知の事実だ。ここにいる誰もが経験し、そのほとんどが理不尽な理由からだった。それに対する恐怖が、皆を思いとどまらせていた。
今の俺にできることは、ただ謝ることだけだった。

「俺言ったよな、やれって言ってたよなぁ!?」

違う、部長はそんなことは言っていなかった。
自分は記憶力がいいというわけではなかったが、業務に関することは事細やかにメモをするようにしていた。その業務をやるようには言われていない。
それでも反論をする気はない。俺はひたすら受け流していた。
平謝りの連続だ。ひたすら謝る。ただ謝る。ほかには何もなかった。

















「チッ―――ちゃんとやっとくんだぞ!」

何分経ったのかも覚えていない。ようやく怒りが収まったのか、部長は自分のデスクに戻っていった。自分も仕事場へ戻った。
嵐は過ぎ去った。だが、その爪痕は深い。
自分の存在意義はなんだろうか。
部長はご丁寧にもそれを考えざる終えない状況を作り上げてくれた。
自分は何のために働いている?
自分は何がしたくて働いている?
何が。何のため・・・
ここで考えるのをやめた。どうせ考えても何も出ない。自分を必要としているものはいない。
そんなの子供の時からわかっていた。
もはや、生きていても生きていなくてもどうでもいいと思えてきた。

仕事が終わり、自分は大宮駅で埼京線快速列車を待っていた。
今日はいつもより少し早く終わった。だがそんなことはどうでもいい。
とにかく楽になりたい。今考えているのはそれだけだ。今の束縛からの、社会からの解放。
自分にとっては死活問題だった。
解放のためにはどうすればいいのか。
一瞬、思いついたことがある。
死だ。生からの解放が、自分が最も楽になれる方法なのではないか。
幸いにも自分はそれをすぐに実行することができる。列車が目の前を通るのだから。
いつもより70センチほど近くに行けば、天国が待っている。少なくとも今はそう思う。
俺は電光掲示板を見た。
どうやら列車の遅れが生じているらしく、次の電車は12分ほど後になるという。
この間に何かやれることはあるのか。
とりあえず、近くにあった自販機から缶コーヒーを購入した。
飲みなれた味だ。だが、それが飲むという行為自体に、少し幸福を感じていた。
そして慣性からか、スマートフォンを取り出しSNSアプリを起動していた。
何か投稿することはあるのか。一瞬スマホをしまおうと思ったが、今の自分の心境を投稿したいと思い、それを書き上げた。

『もう人生疲れてしまった。
何もかもがどうでもいい。生きていても、死んでも何もない。
誰のため、何のために自分がいるのか、自分にはわからない。
本当に、疲れた』

遺書というわけではない。だが、最後に自分という人間がいたことを
証明したかった、そう思ったのかもしれない。投稿されたのを確認すると、スマートフォンをポケットにしまった。
もうそろそろだ。缶コーヒーの缶をごみ箱に捨てると、身体をホームの端のほうまで移動させた。ここならそれなりの速度で列車が来る。死ぬ確率も上がるだろう。
そういえば、と、ここで考えが浮かんだ。
自分は本当に死にたいのか。ここにとびこんでいいのかと、今さらながら考えが浮かんだ。
よくよく考えると、死にたいというほどでもない。
ただ、生きていく気力がない。生きる理由がない。それだけの事だった。

 

 

「まもなく、19番線に普通、大崎行きが参ります。危ないですから・・・」

SNSに流れていた投稿に、列車で自殺する人の特徴が書かれたものがあった。
それによると、自殺する人は自殺しようとしているのではなく、死んだらいろいろと楽になるのではないか、と考え死ぬ人が多いという。
真偽は不明だが、少なくとも自分はこれに当てはまっていた。
ここで、スマートフォンの通知音が鳴った。
この通知音は、自分の書き込みに反応してくれたことを表すものだった。
自分の投稿に反応してくるなんて、久しぶりのことだ。
自分の書き込みへのコメントを書いてくれた人がいたのだ。
思わず白線の内側へ下がってしまった。
スマートフォンを取り出し、アプリを再起動する。
新着情報欄に、投稿にメッセージが来たことを表していた。
投稿へのメッセージにはこう書かれていた。

『大丈夫ですか?』

何気ない一言。
本当に何気ない一言だった。
自分の投稿を見て何かただならぬ気配を感じたのだろう。自分のことを心配するコメントだった。
何か、感動というべきような感情が体を渦巻いた。
自分を機にかけてくれる人がいる。自分を心配してくれる人がいる。
今までほとんど孤独だった。友達も数えるほどしかいない。
そんな自分を気にかけてくれたのだ。
よく見ると書き込みは1つではなかった。

『まずは仕事を辞めることからしたほうが良いよ。人生割とどうにかなるし』
『自殺しようとしているならやめとけよ』
『まずここに電話してみるといいよ、本当に親身になってくれるし、いろいろ時が楽になるよ。自分もそうだった』
『その前に労基へ連絡は?家族への相談は?相談に乗ってくれる人は必ずいる。何なら自分がなろうか?』

他人の投稿に対する他人の反応が表示されていった。
少し、涙が出た。
この状況を言葉ではうまく表せなかった。ただただ、うれしい。それだけだった。
列車が目の前を通り過ぎた。
もう飛び込む気は全くなくなっていた。ゆっくりと、ドアが開く位置へ移動する。
書いた人にとっては何気ない言葉なのかもしれない。もしかしたら自分が本気で死にたいと思っているわけではないと感じているのかもしれない。
だがそれでもいい。その一言が、自分の命を救った。自分が死ぬことを思いとどませた。
電車ドアが開く。中の光が、やけに明るく感じた。

 

あの騒動から2か月、俺は池袋駅前にいた。
相変わらずこの街は騒がしい。
だが、いずれなれることになるだろう。
今日は新しい就職先へ初出勤だった。
2か月前の騒動の後、俺は退職した。
自分の中では退職するときには修羅場になると思っていたのだが、
上司はあまり反応を見せなかった。
恐らく退職することなんてよくあることなのだろう。周りのことを気にしていなかったから気づかなかったが、離職するやつが多かった気がする。
割とあっけない最期だった。
そして退職願が受理され、実際に退職するまでの間に労働基準監督署への相談も行った。
タイムカードといった証拠や、証言してくれた同僚などの助けもあり、労基の監査が近々はいるという。上の方は大慌てになるだろう。
ただし、すでに退職した自分にとっては対岸の火事に過ぎない。問題は今の自分の進路だ。
退職後、インターネットや職業安定所でさまざまな仕事を調べた結果、
新たな就業先が見つかった。
今度は労働時間や福利厚生なども調べたうえでの就職だし、
SNSで就労に失敗しない方法も聞いた。今度は失敗しない。
また一歩、新たな人生を送ることになるだろう。少なくとも前よりはよくなる。
信号が青に変わった。一斉に人々が前へ進む。
自分も同じだ。
そういえば、と、ここであることを思い出した。
短い言葉だが、これを伝えることを忘れていた。
アプリを起動する。
あらゆる情報、あらゆる投稿が飛び交う電子空間に接続した。
早速、自分をこれまで支えてくれた人々にむけた、ある言葉を書き上げた。まずはこれから投稿しよう。
この文章に間違いがないことを確認すると、投稿する、と書かれたボタンを押した。
自分の投稿が、フィード上に流れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


『自分のことを支えてくださった皆さん、本当にありがとうございました』

 

 

 

 

 

 

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本作品はエブリスタ、小説家になろうでも投稿してます。

超妄想コンテスト応募作品ですので、どうぞこちらでもご覧ください。

エブリスタ

http://estar.jp/_novel_view?w=24742758

小説家になろう

http://ncode.syosetu.com/n4071ee/

 

ついに蓮舫氏が代表辞任、でも結局二重国籍問題は未解決なんだよなぁ

7月27日、あの蓮舫氏が民進党代表を辞任することを表明しました。

蓮舫氏といえば、事業仕分け時の『2位じゃダメなんですか?』という発言やニコニコ超会議のVR蓮舫と、いろいろと話題になっている人です。民主党政権時代には大臣を務めていました。インターネットでは脱法ハーフ、R4などの敬称(?)で親しまれています。

そんな蓮舫氏の最近の話題といえば二重国籍問題です。その名の通り、国籍が二つある状態になっていたのです。我が国、日本では国籍法が定められています。同法では二重国籍は禁止されており、二重国籍のものは22歳までに国籍選択をしなければならないとしています。

蓮舫氏はすでに50近くになっていますから少なくとも30年近く前には国籍選択を行っているはずです。

しかし実際は選択していなかった。つまり国籍法に違反したまま議員、ひいては内閣の大臣を務めていたということです。これは非常にまずいことです。罰則はないとはいえ、内閣の大臣を務めていた人が国籍法に違反している状態だったなんて大問題です。

ところが蓮舫氏は『台湾籍を抜いたからおk』的なことを言っています。よくないんだよなぁ。

そもそもこの問題が発覚したのは、2016年8月30日に八幡和郎氏が蓮舫氏が二重国籍なんじゃないかと指摘したところからです。

当時は民進党の次期代表選が行われていたからか、蓮舫氏はこれを否定しました。しかし、日を重ねるごとに様々なボロが出始めました。恐るべきネット時代、二重国籍である状況証拠などが出てきたのです。

そして9月13日、ついに会見で二重国籍であったことを認めました。ここで内閣の大臣を務めていた人が国籍法に違反した状態だったことが確定しました。しかし代表選には出馬し、本当に代表になってしまったのです。

二重国籍状態は違法だし不適切です。そんな不適切な人が野党第一党の党首になろうとし、実際になってしまったのです。

別になっていようがいまいが民進を支持する気はありませんが、なんとも滑稽な話です。党首が法を犯す政党なんて、誰が支持するのでしょうか。(なんかいるけど)

とにかく、蓮舫氏はめでたく党首に就任しました。

その後の活躍ぶりも素晴らしいものでした。何か質問をしても大体ブーメラン。説明責任を果たせと言いつつ自分は果たさない、そしてやっぱし自民が安定と国民に思わせるという素晴らしい自民党応援団として、役割を果たしてきました。

そして二重国籍問題も何の動きもないかと思われていましたが、2017年7月、1年近くたった中で動きがありました。ついに戸籍の一部を公開しました。1年近くたってようやくという感じです。公表したのは一応評価しますが、いかんせん遅すぎる。

そんな遅すぎる公開をした蓮舫氏、代表はまだまだやるといい、民心党執行部の交代まで行うと言っていましたが、27日に民進党代表をやめると電撃発表しました。

代表を辞任、つまり自民党応援団の辞任ということです。これは自民党にとってまずいことです。いくら自民党が叩かれようと民進党がこのざまですし、答弁もただブーメランをかわせばいいだけだったのですが、ブーメランの女帝が退任してしまうのです。とはいえ、ただブーメランを投げる人が変わるだと思いますが・・・

何はともあれ、蓮舫氏が代表を辞任するのです。これで二重国籍問題はめでたく解決・・・ではもちろんありません。

蓮舫氏は「二重国籍状態だったなんて・・・!!」という感じに、指摘されるまで認識していませんでしたと説明していますが、問題発覚前に二重国籍状態を認識していたとしか思えないような発言が残っています。これが事実であれば、認識していたけど指摘を受けるまで何もしなかった、法を犯していることを認識しつつ、内閣の大臣まで務めるというもはやいろいろと無茶苦茶です。

さらに公開した国籍喪失許可証には様々な疑惑が付きまとっています。ネットで『国籍喪失許可証の7つの疑惑』などと調べれば出てくると思いますが、これも偽造なのではないのかと疑われています。

結局代表を辞任しても二重国籍問題は未解決、むしろ新たな問題が露出しています。ここまで来ても、蓮舫氏は国会議員を続けていくつもりのようです。まあ、議員を辞めたら辞めたで真相がうやむやになるかもしれませんが・・・

しかしこれによる教訓もあります。二重国籍状態の人≒スパイ、工作員、その他日本の議員に相応しくない人ということです。しかし立候補時に二重国籍であることがわからい、そして立候補しても何の問題もない(一応、虚偽事項の公表罪という罪に当たる可能性はある)という今の制度を改めなければ、また蓮舫氏みたいな人がでてくるかもしれません。自民でも維新でも何でもいいから公職選挙法をチャチャっと変えてもらいたいものです。

ところで、蓮舫氏辞任による代表戦が行われるということですが、前原氏や枝野氏が名をあげています。個人的には現在裁判で高須院長と争っている大西氏やテロ等準備罪が成立したら亡命すると言っていた小西氏になってもらい、ぜひとも蓮舫氏からいろいろな伝統を受け継いでいただきたいと思います。(悪いとこばっかだけど)

希望の党、やっぱり絶望の党だった

2017年7月2日に行われた都議選、蓋を開けてみると自民党が惨敗、23議席しか取れなかったのに対し、都民ファーストの会は50の候補者に対し49議席、自民との関係を決裂し、都ファとの協力を明言した公明党は23候補者のすべてが当選するという異例の事態が起きました。

その後、民進党を離脱した若狭氏が新党である希望の党を設立(結局小池都知事が引っ張っていくことになったけど)、自民党に次ぐ勢力になろうと躍起していました。

こんな流れに、自民一強に風穴を開ける、保守2大政党が誕生するかもと期待の声があがりました・・・が、10月に行われた衆議院選挙では擁立候補者数235人に対し50人しか当選せず、惨敗したといわれています。

なぜか。いろいろあると思いますが、やっぱり小池都知事のせいだと思います。小池氏の排除いたします発言が大きく響いた、とマスコミは言っていますがそれだけではありません。むしろそれ以外でしょう。

大きな理由として、小池都知事都知事の仕事をすっぽかしてしまったことがあります。東京都知事の公務をキャンセルし選挙活動を行う、それも一つや二つではなく、都政にそれなりの影響が出たとかなり批判されました。(実は維新の会代表の松井氏もですが)

他には、ユリノミクスという○○ゼロという形での公約が、かなり非現実的なものばかりだったことも原因でしょう。

例えば満員電車ゼロ、これは時差出勤や2階建て車両の導入を進めていくという内容でした。しかし、時差出勤だけでは満員電車ゼロにすることはできないと思いますし、2階建て車両は鉄道駅や架線の整備を進めなければいけません。

電柱ゼロも、一部の大都市だけならともかく全国区となると金がかかりすぎます。そもそもそこまでして電柱をなくす必要はないでしょう。

極めつけは花粉症ゼロ。これは花粉が出ない木に植え替えるとか、花粉症患者向けの特効薬開発促進だとかのことを言っているんだと思いますが、スギを完全に植え替えるのに今のペースだと200年以上かかるということや排除する発言やらのせいで花粉症患者を排除し、花粉症ゼロを実現するんじゃないかと言われました。

小池都知事は3つの新しい東京を作る、と都知事選の時に訴えていたにもかかわらず、それらは実現できていません。このままでは成果ゼロで都知事を終えてしまうことでしょう。

小池都知事都民ファーストの会希望の党は何か大きな実績を残したわけではありません。勿論、結党や就任してからの期間がまだ短いというのも理由だと思いますが、今まで支持されてきたのは今の政治を何とかしてくれるというイメージがあったからです。

2016年の都知事選の時も、2017年の都議選の時も自民党が惨敗しました。いいか悪いか別にして、自民党以外の党に国政運営能力がないことから自民一強、安倍一強とささやかれてきました。野党は平常運転ですし、積極的にも消極的にも自民党を支持する人が多かったのです。

そんな中、小池氏が自民党を離党し、都知事選に出馬。自民を破り、自身が代表となる都民ファーストの会を結成しました。

小池さんが何とかやってくれるんじゃないか、そういう期待が、小池氏率いる(今は一応過去形)都民ファーストの会、そして希望の党(こっちは現在進行形)に期待がかかってい・・・たのです。

まあ結局、期待にこたえることができなかっただけですね。民進党との合流とかも裏目に出てしまいました。小池氏は国民が本当に望んでいたような政党を作ることはできなかったのです。大多数の人は自公連立政権へ打撃を与えられる保守政党が良かったんだと思いますが、結局エセ民進党みたいな感じになってしまいました。自党の勢力を拡大したい気持ちもあったのでしょうが、そのせいで公約にもどんどんブレが出てしまったのです。そのためか、立憲民主党のほうが議席を取っています。

立憲は枝野氏や辻本氏といったある意味真の民進党議員というべき人たちがいますし、党自身ももなんだかんだ言ってリベラル=左翼の人たちに支持されています。

希望の党はこれといった支持層もいないので、ここまで負けたんだと思います。まさに絶望の党。

ただ、なんだかんだ言っても野党第2党ではあります。国政への影響力もそれなり―にはあると思うので、今後の情勢も注目すべきです。

加計学園問題って結局何が問題なんだよ———頑張って分かりにくくまとめてみました

6月19日、安倍総理大臣は加計学園問題などで陳謝しました。「国会では建設的議論と大きくかけ離れた批判の応酬に終始した。国民に大変申し訳なく感じている」と謝罪しました。各社の内閣支持率世論調査では、いずれも支持する人が減っているのがわかります。ただ、あそこまでマスコミや野党(主に民進党)が騒いでいるのにこの程度しか下がらなかった、とも言えます。

そもそも加計学園がなぜここまで問題になっているのか、何が問題なのか。ホントは問題なんてないんじゃないか、いろいろあると思いますが、この加計学園の一連の騒動について分かりにくく解説したいと思います。

 加計学園問題の発端は5月17日に朝日新聞が「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと書かれた文書があったと報じました。官邸側はこれを怪文書だとして一躍しました。

すると今度は前事務次官である前川喜平氏が「あったことをなかったことにはできない」といい、これらのものは事実であることを証言し始めました。

事務次官というと各省庁に置かれている役職で事務方のトップ、つまり政治家でない、官僚の中で一番偉いということです。その事務次官を務めた前川氏、さぞ素晴らしい人なのかというとそうでもありません。

前川氏は東大法学部を卒業後、フランス大使館書記官や教育財務企画官などを歴任し、事務次官まで上り詰めました。

お、すごい人やん、と思う方もいると思いますが、この人にはいろいろと黒いうわさが流れています。噂どころか、実際にそうなのですが・・・

事務次官を辞職する原因となった天下り問題や証言をするちょっと前に発覚した出会い系バー(という名の売春斡旋所)問題など、怪しいにおいがプンプンする人です。

そんな人が5月25日に事実だと証言したのですが、いままでこの人を叩いていた左派系マスコミは一転、この人を持ち上げ始めました。そんなことやってるからマスゴミって言われるんだよ。

まあとにかく、そう証言したわけですが、官邸側はそれも否定をしました。天下りや出会い系バーで問題になった人の証言は信用できないとかそんな感じです。

しかし文科省はこれらの文書が実在したのかどうかを調査し始めました。その結果、6月15日には一部の文書の存在を確認できたといいます。これを聞いた民進党マスゴミは大騒ぎしました。ただ、その調査でも文書を作成した職員は発言の真意はわからないとのことです。

実は、総理の御意向だとかの言葉は、本当に総理がそういっていようとそうでなかろうとつくわれることがある、という事を前川喜平氏自身が言っています。

私だってねフリースクール問題に関して)これは『総理ご意向だって言ったことありますよ(笑)」とBuzzFeed Newsの取材の中で発言しました。

なんじゃそりゃ、とお思いの方もいると思いますが、文科省OBで前愛知県知事の加戸守行氏も「私なんか文科省の現役時代は『大臣の意向だ』とか、『事務次官がこう言っているぞ』とハッタリをかましました」といっています。

これだけで断定はできませんが、たとえ総理や大臣が言っていなくても官僚の方で勝手に言ったことになっている場合があるようです。そうならば何とも滑稽な話です。

まあそんなこともあり、現在も官邸側は総理の御意向があったことを否定しています。

本当に総理の御意向があったのかはまだわかりませんが、そもそもこの話の可笑しいところは、たとえ獣医学部の設置が総理の御意向だというのが事実だとしても、それは何ら問題ないという事です。

もちろん、裏で加計学園側と官邸側で資金の流れがあった、というのなら大問題ですが、それを裏付ける証拠や文書などが全くない上、獣医学部新設の時もちゃん適切、適法な審査、申請をしている以上、実は加計学園問題は問題というほどの物でもないのです。

一応、獣医学部は今までは認可されなかったのに安倍総理大臣の時に認められ、加計学園の理事長と安倍総理は仲がいいらいいので何か便宜を図ったのならちょっとあれですが、それだけなら陳情を聞いただけなので少なくとも法的な問題はありません。

そもそも国家戦略特区は官邸の主導によって行われるものですし、総理の御意向(官僚が勝手に言うやつではない)が入るのは当然と言えば当然です。官邸主導でやるのはけしからん、とかいう人もいるかもしれませんが、そんなこと言ったら法律を作ることも、政務を行う事すらできなくなってしまいます。

とにかく、現時点では違法性を示すものは何らありません。この問題を追及していた民進党の玉木議員ですら法的な違法性はない、というほどです。(下の動画の5分40秒ごろ)

今回の騒動、森友学園の時と同じように官邸側が不当な関与を行っていたという証拠は見つかっていません。ただ、それと同じように不当な介入を行っていないという証拠もありません。残念ながら、悪魔の証明と同じように不当な介入がないという事を証明するのはかなり難しいでしょう。

とりあえず、民進やマスコミなどが官邸が不当なことを行っていたという証拠を見つけるか、さもなくば一刻も早くこの問題の追及をやめることを願っています。

待機児童問題、政府は待機児童ゼロは2020年までと延期———そもそも何故こんなにも待機児童が多いのか

安倍晋三総理大臣は5月31日、遅くとも2020年までには待機児童0を目指していくと表明しました。

お、ええやんと思った方もいると思いますが、少なくとも自分はこの目標には懐疑的です。もともと17年度末までに解決することを目指していた待機児童問題ですが、結局解決のめどが立たずに20年度まで伸ばした形になりました。

そもそもこの待機児童問題、大体は大都市一極集中が原因です。待機児童0の都道府県は2015年4月1日時点で、青森、グンマ、新潟、宮崎などの計11県です、そのどれもが、東京、大阪、福岡などの大都市がある都道府県ではなく、地方の都道府県です。

待機児童の問題がニュースで取り上げられるとき、その大体が東京や東京周辺の自治体、さらにほかの大都市圏の状況が取り上げられます。地方では待機児童がないことが多いからです。

なぜ大都市圏、特に東京では待機児童が多く存在するのか。それは単純に需要と供給のバランスが釣り合ってないからです。

今、東京都の人口は増え続けています。出生率が高いから、というわけではなく地方から若い人たちが東京といった大都市に移住しているからです。

何故移住するか、仕事があるからです。東京には多くの企業の本社があり、東京大都市圏のGDPはカナダ1国のGDPを超えるほどです。これだけ大きいと求人の数も地方の比ではありません。

しかし、保育士の数は流入人数ほど多くはなっていません。保育士の数と人口の増加のバランスが釣り合ってないのが実情です。一極集中が起きたが故の公共サービスの質の低下。これはある意味当然と言えば当然なのかもしれません。

ただし、一極集中を是正すれば問題解決というわけではありません。このままの状態で一極集中を解消してもただ地方に待機児童問題が飛び火するだけです。皆さんもご存知かと思いますが、今保育士の給与はかなり低いです。(勿論いいところもある)このような福利厚生では保育士になりたい、という人も減っていってしまいます。情熱や夢だけでは生きていけないのです。

また、共働き世帯の増加も要因に上がります。女性の社会進出が進んだことも原因ですが、一番の問題は共働きしなければ生活水準を維持できない。これに尽きます。日本の給与水準はここ20年間ほとんど変わっていません。日本が貧乏になりつつあるとか言われていますが、まさに貧乏になっているのです。

政府は給与改善を目指したりもしていますが、今の現状ではまだ手ぬるいと思います。保育士の待遇改善や一極集中の是正、給与などの問題に地方自治体、国が一体となって取り組まなければ、この問題が解決することはないでしょう。